介護保険料を値下げした豊後高田市を視察してきました

視察に参加した5人の議員(豊後高田市議会棟)
視察に参加した5人の議員(豊後高田市議会棟)

 7月15日の9時30分から11時30分まで、大分県豊後高田市の介護予防の取組みについて視察研修しました。今回は政務活動で、参加したのは私と村松謙二、田中英輔、伊東洋子、古賀誠視の5人の議員です。説明してくれたのは、豊後高田市保険年金課の飯沼健一課長と安藤雅俊係長でした。
 特に以下の4点は大変参考になると感じました。
 市長の強い指示や県のサポートが大きいこと。
 また、記名式の高齢者実態調査で自治体単位のマップを作っていること。
 地域ケア会議が市の主催で月2回開催され、個別ケースが検討されていること。...
 保健師の人数が充実し、専門職の役割がきちんとされていること。
 以下少し長いですが大事なので紹介します。
(1)取組の経緯
・介護保険第4期計画中(2009年~2011年)介護給付費が増大し赤字運営
・第5期計画(2012年~2014年)保険料の増額。介護給付費増大の原因分析の結果、介護予防に課題があることが判明。市長の指示で埼玉県和光市を視察し、地域ケア会議などを実践。
・第6期計画で保険料を140円値下げした。
(2)取組の内容
<2012年度~>
・要介護4,5以外の在宅高齢者7400人を対象とする実態調査(記名方式で調査後に把握できる方法」)
・二次予防事業対象者を自治体単位に集計し「マップ」を作成
・介護予防が必要な2000人を把握し、毎年700人ずつ、3年かけてすべて訪問(包括支援センターに保健師9人がいて訪問できる体制あり)
・地域ケア会議を第2、第4木曜日に開催(毎回5件程度の個別ケースを検討、主催は市の保険年金係長)
・認定調査の委託件数を減らし、直営による適正な要介護認定の平準化。
<2013年度~>
・介護予防。日常生活総合事業を導入。要支援者および二次予防対象者が利用できる通所型予防サービスの提供開始。
・「元気アップ教室」で作業療法士による生活機能向上図る。
・虚弱高齢者には包括支援センター職員が訪問し、各教室への誘導に努力。
<2014年度~>
・県の栄養士会と歯科衛生士会の協力で「健口教室」を「複合型予防教室」に発展。
・県下初の「物忘れ相談支援チーム」も稼働
<2015年度~>
・「元気アップ教室」を2事業所に拡大
・皆無だったサロン活動を71ヶ所まで設置
(3)取組の効果
・介護予防事業費 2010年度決算約5400万円⇒2014年度約8000万円(2600万円増額)
・介護サービス給付費 2010年度決算約26億6600万円⇒2014年度約25億8300万円(8300万円減)
・要介護認定率 2012年度末20.5%⇒2014年度末16.9%
(4)今後の取組
・介護予防を積極的に推進。
・健康づくりについて、ウェルネス推進課(保健師9人)、子育て・健康推進課、社会福祉課、保険年金課の健康4課の連携。
・脳梗塞、認知症の発症回避または遅らせることで健康寿命延伸。

飯沼憲一課長(向かって左)と安藤雅俊係長
飯沼憲一課長(向かって左)と安藤雅俊係長