奴間健司の一般質問 国保税改定を庁議で議論しなかったのは間違いでは

市長の最終判断で担当課案より高くなった国保税
市長の最終判断で担当課案より高くなった国保税

 私は9月9日の一般質問で国民健康保険税率の大幅改定について、庁議の場で全く議論されなかったことは大きな間違いだと指摘をしました。市長の最終判断で市民国保課の職員がすすめていた案よりも大きな負担を国保加入者に強いることとなったことも指摘しました。以下、長いですがよかったらお読みください。

<市長の基本的見解>

①国保税率の改定については、事務執行における責任の明確化もあることから、所管である市民国保課で検討を重ねた上で、事案決済規定に基づき最終的な決裁をしている。

②庁議は、事務執行に関する決済の場ではないため、今回の国保税率改定は、最終的な決定のみが庁議に報告されたもので、庁議設置の目的に反するとは考えない。

<私の指摘>

❶市民に大きな負担をもたらす重大決定である。本来なら、市民部長が提案書を作り、庁議に付議すべきだった。慎重に審議し、庁議としての決定を踏まえ、市長が最終決済し、国保運営協議会に諮問すべきだった。

❷生涯学習センター交流館の使用料については、2015年7月と10月に庁議に付議され議論している。生涯学習課から300円を400円にする案が出され、市長は5割増の450円で検討することを求めていた。国保税について諮問せず全く議論しなかったのは説明がつかない。

❸国保運営協議会では市民国保課の職員は2年以内の赤字解消は大きな負担でデメリットであることから2年以内赤字解消ではない案を提案していた。市長はこのことを了解していたのか。

❹今年1月の財政課との協議で、法定外繰入を行う判断をした。それと引き換えに2年以内赤字解消の案に戻り、結果的に担当職員がすすめていたものより高い負担になった。国保加入者よりも県の方を向いて2年以内赤字解消を優先したのではないか。

❺国保税も交流館使用料も担当課が当初提案したものより高い負担を市民に強いる結果になった。水道料金3割カット等市民の負担を軽減すると言っていたことと矛盾する。

❻8日の読売新聞に報道されたが、市民の苦情等が430件に上った。担当職員がお休みすることになった。庁議でちゃんと議論しておけば違った結果になっていたはずだ。

❼反省の気持ちはないのか。あらゆる手段を考えて国保加入者の負担を少なくするという答弁(9月1日)に偽りはないか。

❽市民に対する直接の説明会をやるつもりはないのか。市民共働のまちづくりが進むのか。

<市長の対応>

①庁議では決定しない。

②交流館の使用料は原案が出され、各部長から異論が出た。それを踏まえてもう一度検討するよう指示した。それを踏まえて庁議メンバーで確認し最終案とした。国保税は庁議の中で市民部長から報告があり、異論は出なかった。それをもって私の中では最終決定とした。

③私と担当職員との間に人を入れずに直接相談したことはない。部長、副市長、同席の上でみんなで議論した上で最終決定した。

④国保運営協議会で提案された途中の案を了解したとすればおかしなことになる。いろいろな案の議論を重ねて私は最終的に決定した。

⑤2年以内赤字解消を優先したという批判はあえて受ける。

⑥交流館の使用料については建設費は市が負担し、運営費の半分は利用者で負担するという大原則で議論した。

⑦国保税について最終的に市長に責任がるのはその通り。この決断で市民に負担をかけたのは大変申し訳ないが、苦渋の選択であり、今後少しでも負担が軽くなるよう頑張りたい。

⑧庁議で議論していれば事態は変わっていたという意見は私と奴間議員の意見の相違だ。

⑨反省とは違う。苦渋の決断で申し訳ないと思うが、今回の国保税率改定には一定の考え方があり、批判が強かったことについては今後の業務の中で貴重な体験として生かしたい。

⑩市民といっても1万3500の被保険者の方。直接対話は考えていないが金輪際しないわけではない、必要性がある、有意義であると考えたときは行いたい。

<まとめ>

❶国保税率改定について庁議の場で全く審議しなかったというのはどう考えても間違いであると言わざるを得ない。

❷市長は市民部長が報告し、異論は出なかったと答弁した。これは納付書を送付したあとの庁議の場であり、全く事実誤認の答弁である。

❸市長は交流館の使用料も国保税も担当課の案より市民負担が高くなる方向を選択した。

❹私は改定率決定のプロセスを十分把握せず、付帯決議を付けたとは言え、この改定案を可決させた。率直に反省し、市民・国保加入者の皆さんに心からお詫びしたい。

❺市長が9月1日に答弁した、「あらゆる手段を考えて市民の負担を軽くするようつとめる」という具体的対策を強く求めていきたい。