
9月20日の夜、NHKテレビ「老衰死 穏やかな最期を迎えるには」を見ました。東京・世田谷区にある特別養護老人ホーム芦花ホームが紹介されました。そこで多くの高齢者を看取ってきた医師の石飛幸三さんが、我々の体はいずれ限界を迎え、治せないこともあるとコメントしました。最期を看取る家族にあたたかく接している姿が印象的でした。
この番組の中で興味深い見解などがありました。
①細胞が消滅し、栄養の吸収が悪くなる。亡くなる前の人のほとんどが1週間前から食事を摂らなくなること。
②最近の研究で、経管栄養の有効性は認められないということ。(重度認知症高齢者の場合)
③多くの人が最後の数日間は痛みに苦しむことなく亡くなっていると言って良いという研究結果があること。
④「死の質」という概念。死は負けではなく、安らかに死ねないことが負けであるということ。イギリスは「死の質」世界一とのこと。
私が事務局長をしている「地域医療と市民を結ぶ会」(大岩俊夫代表)でも、最期をどのように迎えるか、延命治療が患者さん自身にとってプラスかという議論をしています。今回の番組は石飛医師の実践やアメリカやイギリスでの最新の研究報告もあり、大変参考になりました。
